加瀬亮×itoma


泉水役加瀬亮さんインタビュー『重力ピエロ』


最も作品が映画化される小説家 のひとり、伊坂幸太郎。彼の物 語がまたひとつ映画として誕生 した。この「重力ピエロ」とい う作品は、タイトル通り深刻で 重い内容を含んでいる。しかし 同時に家族の絆が温かく描かれ、 「家族の愛」は「重力を超える」 ほどに強い、という前向きなメ ッセージも含んでいる。 とにかく不思議な空気感のある 作品なのだが、主演の加瀬亮さ んはどう感じているのだろうか。

「監督は仕事の仕方、感性が不 思議な人なので、撮影の時は監 督の言っている意味がよくわか らないことも正直多かったです。 作品のトーンが掴みにくくて… こんなに内容が重いのに、監督 は『爽やかなラストにしたい』 と言うので、僕は意味がわから なくて(笑)。撮影の度に監督と は話しましたね。出来上がりを 観て、やっと監督の考えていた ことの全体像が理解できました。 新鮮で、多くの人に楽しんでも らえるミステリー娯楽作品に仕 上がっていると思います」

様々な演技、表情 が可能な、゛表現の幅が広い役者″ である彼だが、その秘訣は監督 と真摯に向き合う、その姿勢に あるようだ。

「演技の良さは観る人が決める もので、絶対の正解は存在しま せん。そして、演技の良さは役 者によるものではないと思いま す。判断は監督次第で、役者の 問題ではないんです。自分が良 いと思って演じても、監督が駄 目と言えば駄目なので。だから、 僕は現場で色々と監督に提案し て選択肢を増やし、その中から 監督に選んでもらうというやり 方をしています。役者の仕事は 『人の考え方、価値観をどう受 け止めるか』という能力が要求 されるんですよ。その分『自分 はそうじゃない』という意見を 持ったときほど受け止めるまで 時間がかかり、それがストレス になる時もありますが、新しい 見方が生まれる時もある。それ が面白いからこの仕事を楽しく やっています」

彼は一言一言を慎 重に選び語る人で、きっちりし ていて繊細な性格がその話し方 によく表れていると思う。丁寧で論理 的でスマートな彼の仕事から、 これからも目が離せない。


STORY
兄・泉水と弟・春、そして優しい父と美しい母。平穏に暮らす家族には、過去に辛い出来事があった。 その兄弟が大人になった頃、事件は始まる。謎の連続放火事件、残された謎の落書き。 落書きと遺伝子暗号の奇妙なリンク。すべての謎が解けたとき、24年前から今へとつながる家族の秘密が明らかになる。 「正義」とは何か、そして「家族」とは何かが描かれる、愛と衝撃のミステリー。
STAFF&CAST
監督:森淳一/出演:加瀬亮、岡田将生、小日向文世、吉高由里子ほか/アスミック・エース エンタテインメント/公開中/梅田ガーデンシネマ、なんばパークスシネマほか

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